
それなりに塗れたかなと思って拡大してみると
思いもよらない仕上がりにたじろぎます。

想像以上に皮膚に色むらがあり、ボケていない。
一方で、目の周りはシャープに描いているつもりが、ぼんやりしている。

簡単にはいかないと思ってはいましたが、
なかなか奥深く手強い世界です。
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ドキュメンタリーにも演出はありましょうが、
演出のすべてを、楽しませることだけに特化したエンターテイメントの方がそりゃあ面白い。
リアルに作るのは、どちらかといえばドキュメンタリーに近い手法です。
色も細部も忠実であろうとすればするほど、小さく地味で目立たない。
デジカメで撮影した映像で表現すれば、それでもよいのですが
展示会ではまったく映えない作品となることもしばしばでした。
そこで
展示会用の作品として必要なのは、「演出」なのだと思い至ります。
エンターテイメントに徹し、鑑賞者に興味をもってもらうのです。
肉眼で見える範囲で面白味をふんだんに提供し、楽しんでもらえる作品に仕上げる方向で進めてみます。
すべてはやってみなければわからない世界というものがありますから。
一方で
「肉眼で見える世界だけがすべてじゃない」
という確信はいまでもあります。
「写真に写してリアルじゃなければ(どこか模型のように思えてしまう部分が見え隠れするならば)、その写真の提示する世界から受けるイマジネーションは広がりを欠く」と思います(しょせん模型じゃんと思われてしまう意味において)。
模型が(ほとんど)本物であるかのごとく存在することに人は
「おお!」
と感銘を受けるのではなかったか。
そちらの方が模型としての本質ではないのか、王道ではないのか・・・。
などなど、いろんな葛藤を抱えつつやります。
自分が変わるしか成長する道はないですから。
成長しないかぎりユーロ勢には永遠に追いつくことができなくなってしまいますから。
というわけで
和食を脂ぎった洋食に変えるためあらゆる手段を講じています。
せっかく仕上げた塗装の上から後付けでハイライトをのせました。
コントラスト強調のためにふだんはやらないウォッシングをやったので全体も暗めになっています。

プライマー色は原色より彩度を落として調色していますので、そのうえから原色のインディアンレッド(ホルベイン油彩)で雨だれを描き込みました。
つまり雨だれを暗い色で描き込むのではなく、鮮やかな色で描き込んだのです。
後部フェンダーが白いのは、光の反射ではなくホワイトでモジュレったもの。

そしてここからがいよいよ本題です。
「日中、野外におけるすべての車輌は、上面に青空変調をおこしている」
という独自理論にもとづきカラーモジュレーションの中に
わずかにスカイブルーを配色します。

油彩のホワイトとブルーを混色しドッティングの要領で薄めない塗料をまだらに配置。
ティッシュで拭き取りながらぼかし広げました。
黄色と青はもともとカラーコンビネーション的に抜群の相性。
隠し味程度ではありますが、青みが入ったことにより
かつてない面白い雰囲気が出ました。

写真ではわかりにくいかもしれませんが、確実にひとつ深みを増し
絵のような雰囲気をかもし出しました。

これが独創の「青空変調」です。
「だからどうした?」って言わないで~。
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教科書ではよくわからない疑問でした。
『ヒトラーの経済政策ー世界恐慌からの奇跡的な復興』
武田知弘著 祥伝社新書
を読んで、謎の一端が解けました。
国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)は、つまるところ初期の段階においては国民に実利を与えたのでした。
前掲書によれば、
『 それまで、総額で3億2千マルクに過ぎなかった公共事業にヒトラーは初年度から20億マルクの予算を計上。
鳴り物入りの国家事業としてアウトバーンの建設を始める。
まず労働者の賃金を決め、逆算して予算が組まれた建設費は、
その46パーセントが労働者の賃金になっている。
ナチスの作った労働戦線組合が企業を監視しピンハネをゆるさなかった。
買収する土地は計画時点での地価が基準とされた。
労働者の待遇も良く、各所に約100個の特殊設備をされた宿舎があり、常時約2万人の労働者が宿泊。
ナチス労働戦線の慰安娯楽局が、アウトバーン工事現場の各宿舎を定期的に回り、スポーツや読書、映画上映会や演劇会が催されていた。
戦争中も工事は続けられ、終戦時までには4千キロになっていた。』
という。

さらに
『 中高年労働者を優先的に採用し女性は家庭に返す政策を採る。
同じ職を与えるならば養う家族の多いものを優先させる考えからである。
大規模小売店鋪(デパート)の出店を制限。
ベルリン信用保証協会などの中小企業向け信用保証制度もつくった。
農産物の暴落を防ぐために穀物価格安定法でゆるやかに価格を固定。
世襲農場法によって弱小農民に農地を借金のカタにとられないで、借金の返済を減免するようにした。
都会の青年有志を半年間、農業支援に赴かせるようにもした。青年たちには農家が宿と食事を提供し、職業紹介失業保険局から若干の給料が支払われた。
当時560万人もいた失業者には、若くて職に就けず結婚も出来ないものも多数いた。
そのため結婚貸付法をつくり、1千マルク(半年分の賃金相当)を無利子で貸した。
子どもを1人産むごとに返済金の1/4が免除され、4人産んだ夫婦は全額返済免除となった。
1932年の51万件から1934年は73万件に結婚数が増加し、出生数は20パーセント上がった。
突撃隊という私設軍隊をつくって若者に住む場所と食糧を与えた。
企業には配当制限法にて資本の6パーセント以上の配当を制限し、公債の購入を義務づけた。
世界に先駆けて8時間労働を実施。休日も増やした。
慰安娯楽局はドイツのあらゆる劇場を没収し、労働者に音楽、演劇などを広く提供した。
旅行局は豪華旅行や海外旅行を企画し75万人が外国旅行に行った。
歓喜力行団は1942年で2千500万人のナチス最大の組織だったという。
ヒトラーは1933年に税収の1割に相当する大減税をおこなう。
その巧みな減税政策のために、景気が刺激され、なんと51億マルク(1933)の税収が75億マルク(1935)と増えた。
国家社会主義福利団により母子に手厚い支援をおこなう。
貧困母子に食料品、ミルク、衣類、寝具を提供した。
子どもを田園農家に送り栄養をつけさせることもした(4年で179万人)。
満2歳以下の乳幼児は無料で健康診断を受けることができた。
幼稚園の増設。600カ所(1934)から11000カ所(1943)に増加。
子育てに疲れた母親を招く保養所もつくられた。
父親が出征した家族への義援金は、収入の75~78パーセントだった(アメリカ36、イギリス38)。
』
などなどです。詳しくは読んでね。
さて、フィギュアの方は実際に1/35で手を動かして経験してみようと思い、ぼちぼち実験的に塗り始めています。

どの色がどんな効果をもたらすのか、どの色にどの色を重ねたときどのような色に見えるのか、未知の分野を手探りで進めている状態です。
ここでもまた、1/1人間と捉えるべきか、1/35フィギュアと捉えるべきかで塗り方に差異が出てくるようです。

また、リアルに見せるためには目の周り、口の周りの造形はことさら大切であると感じました。
塗装だけではごまかせないものがありますね。
それにしても1/35の目は細かい。
もう、ギブアップ寸前。
よく見えませんもの。
わたしの作る戦車のマイクロリアルを批判する向きもゼロではないと思いますが
フィギュアの顔の方がよほど細かいです。
1センチに満たない戦車のパーツを大写しにして公開する人は少数派ですが、
フィギュアの顔はわりとわかる範囲で公開されている方は多いと思います。
同等の集中力をもってキャタピラのリンク一枚、一枚を塗れば、誰だってすごい作品をつくれると思いますよ。
それから
kazufumiさんの主催でJAPANミリテールフォーラムが開設されました。
フィギュアマイスターを目指す方はぜひこちらで研鑽を積んでください。
貴重な意見が得られることでしょう。

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鹵獲マチルダが故障してしまったので、
弱点を発見するための射撃テストに利用したのだという設定です。
側面に弾痕が集中しているのは、正面からは打ち抜けないのがわかっているから。
目標が目立つように砲塔にはラインを入れたのだろうと。
模型としての視覚的な面白さもねらっています。

いつもはやらないウォッシュをしたりと大胆に汚しました。
この側面の写真からでは、まったくわかりませんね。
味をだすために、原色の赤をタミヤエナメルにてラインの一部に入れてみました。

エナメルの特性として、ぼかした表現が得意であることを再認識しました。
もはや二度と使うこともないだろうと思っていたエナメル塗料ですが
いいですね!これ。
それでいて、乾燥は油彩より早いですし。
欠点は、色数が多くないことでしょうか。
ズバリサビ色とか、ズバリ肌色がないですね。
微妙な色でよく使う色は、あらかじめ調色しておく必要があります。

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歯ブラシ(極細毛)や毛先のかたい筆を使っておこなう飛散法(スプラッシング)や
缶スプレーの粗吹き(砂吹き)などがあります。
いずれにせよ希望より大きめのドットが出来てしまいますので
残しておくとスケール感を損なう大きさのものはカッターナイフやピックの先で突いて
丸い形状を破壊しておくようにしています。
0.1ミリより大きいものは、けっこう目に付きますので0.03~0.05ミリに砕きます。
地球連邦軍61式戦車も同様の処置をしました。

写真は放置プレイ中のタイガー。
なんとなく心の中にもやもやを感じたので、そのやるせない思いをぶつけました。
憤懣やるかたなしという気持です。
何に憤っているのかと言えば
「どうして日本人モデラーはいつもいつもユーロモデラーにやられっぱなしなんだ!」
ということにつきます。
dickermaxさんの記事にもある通りミグに勝てないばかりでなく
他の人にも勝てない。
出来るのにやらないのではなく、おそらくできないのでしょう。
誰もきっちりとちがいを解析できていない。
説明できないことはわかっていないことなので、わかっていなければ再現することも出来ようはずもない。
とりあえず、コテコテの味濃いステーキにしてみるべく
思いつくままに実験しています。
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砲塔に帯のように入った色は、一体何色と考えるのが妥当なのでしょうか?
flickrにカラー写真も置いてありました。
ただしこれは誰かが後で色を付けたものでしょう。
イギリス軍の迷彩がダークイエローに塗りつぶされていますが
白黒の高精細な写真を確認すると、あきらかにイギリス軍の迷彩は
砲塔にも車体にも残ったままなのです。

砲塔だけを分析すると、
イギリス軍迷彩の上に手描きのドイツ国籍マーク、さらにその上から濃い色で帯が重ねられていると見えるのです。
この帯の色は何色と考えるのが妥当でしょうか??
弾痕の側面に集中するこの車輌は何なのでしょうか?
砲塔の帯は、イギリス軍が描いたのでしょうか、ドイツ軍が描いたのでしょうか?


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久しぶりに触れて、あらためてその精度の高さに驚きます。
エッジの確かさパーティングラインの少なさなど、ここ数年触れたどんなプラスチック製品よりも高精度だと感じました。
日本が世界に誇れるプレミアムブランドですね。

35(t)の車輌本体よりも高価格ですが、今回はなんだか納得しました。
サビ塗装の途中経過。
肉眼で見るだけならば、この状態でも十分なのですが、写真にすると妙なツヤがあるようです。

初めてツヤ消しクリアをキャタピラに吹いてみます。
その後、数時間手を加えましたが期待しただけの努力に見合う効果は得られていないようです。

ただしフェンダーが被さりますので、見え方にも変化があると思います。
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ウエザリング前の砲塔を前から見たところ。
この状態を覚えておいてくださいね。

これからウエザリングを開始します。
(中略)
さんざんウエザリングしました。
頑張りました。
面白いところでは、サンド色の陰になる部分に
明るい原色系のイエローを陰色として加えてみました。

こうして見るとわかりますが、模型を見るとほとんどわかりません。
リアルではないけれど、ちょっとした遊びの要素のあるアクセントです。

そして、ここで大問題です。
あれこれ考えながら工夫を凝らしてウエザリングしてきた結果が
たんに小汚くなっただけでリアリティという点においては上向きの変化がないということです。

昔のドラマで迷路や森の中で出口を探しまわったあげくまた元の場所にもどってくるシーンがよくありましたよね。
狐につままれたような場面です。
同じような場面に放り込まれた気持になりました。
おや?みなさんも同窓会ですか。



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ある?ない?あってもまた一興かと思い再現してみました。
多少オーバーなのですが、迷彩塗装に覆われると
これくらいでも
ほとんど目立たなくなると予想しています。

塗装開始。

かなり明るめの色に調色しましたが、下塗りが透過しているので
やや沈んでいます。
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マチルダの写真集などまず見かけないのでありがたいところです。

せっせと資料を見ながら
「最新キットなのにおかしいなー」と思いつつもそれに似るように作っていたら、
最後に小さく「キットは、掲載写真の車輌と一部仕様が異なります。」って書いてあります。
「おいおい、どういう資料の付け方なんだよ!?」と
軽く突っ込みを入れたところで、
出来ました。

資料を見ながら可能なかぎり似せる、再現するというのは、醍醐味の一つだと思います。
OVM取付け金具とかにはこだわらないのですが
形状とかイメージには、なぜかこだわってしまいますねー。
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昔は色で悩むことはありませんでした。
色はなんでも良い、リアルにすれば良いのだと迷いなく確信していましたから。
いまではかつてメルヘンとバカにしていたような色を
自分で使っている始末。

リアルであればあるほど虫眼鏡的で地味な表現に終始するハメになることもあります。
展示会を意識すれば、それだけでは足りないものを感じます。
現に、いまリアルな車輌作りではノリにノってるHyattさんのこの車輌も中四国AFVの会では、目立っていなかったのではないかと想像するのです(他のブログでの言及の少なさから。まあ、単品車輌の弱さは根本的な問題としてありますが)。
演出的な塗装表現の方が、衆人の目を引きつけたのではなかろうかと。
演出方法も多岐にわたりますので、色だけに限定する必要もありませんが、とりかかりは明度や色彩、コントラストなど塗装表現の範囲でできることを探っているところです。
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その迫力ある姿に一目惚れをしてしまいました。
グレートウォールホビー社のキットは初めてです。そのプレミアムな雰囲気と価格に期待をもっていましたが、実際に触れてみて、「??」です。
期待ほど(最新のドラゴンやタミヤのような)クォリティは高くありません。
たしかに、閉鎖機がヒケなくできているキットは、そう多くはありませんが。

砲身もふにゃふにゃと勃起力をなくしたナニのようです。
シリンダーとチューブを作り直し、摩擦抵抗で任意の角度で固定できるようにしました。

(ちなみに「勃たないのはわたしに魅力がないからだ」と女性は思ってしまう人もいるようです。それにかかわりなく自分の意志ではどうにもならないものなのだとわかってもらう努力が必要ですね)
複雑な構造のため、塗りながら組み立てねば、塗れない部分が出てくると思ってしまうのは
筆塗りのゆえなのでしょうか。

いつの日か、ユーロ勢に立ち向かえるようなすばらしい作品を作ることができるのか。
何を作っていてもそのことは頭の隅にあります。
自分を信じてがんばるしかないですね。
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三角プリズムで太陽光を分光すると
各単色光は、それぞれ物体に当たったときの屈折率が異なるので、
赤、橙、黄、緑、青、紫などの色が表れます。
太陽光が物体に当たると、物体の固有の性質によって
一部の色が吸収されたり、反射されたりします。
ここで色の見え方がきまります。
青色に見える物体は、青の波長を反射し、赤や緑を吸収しているわけです。
とすれば、ジャーマングレイのペンキという固有の物質が
同一角度の面において、いろいろな色の混じった複雑な色に見えるのはおかしいのでは?
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