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戦車模型 AFV fun
それは男の憧れる力の象徴。無敵の装甲は、びくともしない不動心へのあこがれ。鋼鉄のキャタピラは信念を曲げず困難を乗り越え突き進む哲学の具現。        
「繰り返す」という手法
芳醇さに欠ける何万何千という作例。
スッキリさっぱりとした作風はもはや日本人のお家芸であるだけに何の感慨もわかなくなってしまいました。
不感症になったのでしょうか。
そうではないでしょう。
ミニチュアであることから脱するための技術的工夫が感じられないから退屈なのです。
実車は、スッキリさっぱりと見えるとしても、膨大な情報量が備わっている事実が見えていないがゆえに、それを再現できないのではないでしょうか。

「見えないものは、再現することができない」

もっと何時間も、何十時間も一枚の写真を見続けることで、何かが見えてくることがるかもしれません。
(たとえば、わたしの例ですと水野シゲユキさんのヤークトタイガー側面装甲の高解像度写真をデスクトップにして6ヵ月ぐらい毎日飽きずに眺めていました。すると、最初のころは見えなかった色や加えられたウエザリングの数々がはっきりと認識できるようになったのです)

実車の写真を観察すること、読み解くことは上達するためのカギでしょう。
ENGLISH RUSSIAにある写真もときどき参考資料としています。

その上で、どのように模型として表現するかは、各自の創造性に委ねられる自由ではないでしょうか。

わたしの場合は、完全なるリアルをちょっと一休みして
演出の多い絵画的な表現を試みています。

というわけで、やっと本題です。
塗装工程において、ウォッシング1回、フィルター1回、チッピング1回、ドライブラシ1回、スプラッシング1回とか、一度の工程で1色のみ使い、それで終りにしています?

異なる色を使い、2回、3回と同じ工程をもう一度最初から繰り返すだけで、アーラ不思議(あたりまえのことだけど)情報量が飛躍的に増え、芳醇な作品に早変わりとなります。

愚直なのですが「繰り返す」という手法は、けっこう重要なテクニックだと認識しています。

歯ブラシ飛散法で、グレイ系5色をスプラッシング。
繰り返す

ブルーグレイ系の色を作って油彩でまたフィルター。
繰り返す2

そして、またまたスポンジウエザリング。
やや異なる色味のグレイ系2色を追加。
繰り返し3
単純に繰り返すという行為だけで、表現の浅はかさをカバーすることができます。


またまた話は変わりますが、
福岡県生まれの医師、中村哲(ペルシャワール会現地代表)さんは
『憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言』岩波書店(2005)
の中でこう述べています。
≫≫≫ [「繰り返す」という手法] の続きを読む                            
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憂国のグレイ
安田 日の丸以外に何か誇示するものを持たない人々なんじゃないでしょうか。
人間って、自分は何者であるのか、といった具合に、自分を説明できる人とできない人がいると思うんです。
何も持たない人、あるいは自分を説明することのできない人が、いきなりナショナルな方向に向かってしまう。
在特会なんかを取材していて強く感じます。
本当なら個々に物語を持っているはずなのに、本人は持っていないと感じている。
あるいは物語を語る力量がない。
そういう人にとって、ナショナルなものというのは、すごくラクなんですよね。
 彼らは国家については熱く語るんだけれども、地域とか家族についての話は全然出てこない。
僕は「国家がそれだけ心配ならば、まず地元の神社を掃除しろよ」と思うんだけど、そういうことをするネット右翼はいないんです。
地域に対する視点がまったくないから。
山本 むしろ、彼らは地域から切り離されてるんですよ。
地域や身の回りの職場から切り離されてる。
下手をすれば家庭からも切り離されているんじゃないですか。
安田 在特会も、「家族がこの活動を知っていたり、温かく見守っているか」と聞くと、YESと答えた人は皆無でした。』

安田浩一、山本一郎、中川淳一郎著
『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」
宝島新書(2013)より


さて、15㎝砲s.FH18です。
グレイの缶スプレーで塗りつぶした状態。
sfh2.jpg

つづきをどうぞ。
≫≫≫ [憂国のグレイ] の続きを読む                            

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完璧主義
模型における完璧主義は完成を遠くします。
資料を集め、1年、ときには数年をかけて完成させるやり方は、達成感も大きくそれはそれで価値のあるホビーライフであろうかと思いますが、
わたしの場合は、残りの人生と所有しているキットの数との兼ね合いで
資料のないキットは、基本的にほぼそのまま組むことにしています。

そこで、ドイツの15センチ砲なのですが、
最高の性能、最高の機能を求める職人気質が伝わってくる複雑さ。
気持はわかるのですが、戦時という緊急事態に妙に凝りまくった機構、構造がほんとうに有効だったのか。
生産性とか簡略化の思想も取り入れた方が・・・
これはドイツ戦車シリーズについても昔から言われていることでもありますね。
あんなにたくさん種類を作らなくてもと。
凝り性というのは民族性なのかしらん?
sfh1.jpg

『「国家」「民族」、こういった言葉は強い言葉です。
強いからみんな引きつけられる。
特に国も含めて経済が弱っている現状からすると、我々はすぐ強い言葉にたいして崩れていきがちです。
でも、その強い言葉たちの中身に何があるのかというと、案外空洞なのではないか。
ぼくがいつも皮肉で言うように、要するに小林よしのりのまんがの力によって支えられているだけじゃないのか、というのはこの言葉にもあてはまります。』

福田和也×大塚英志著
ナショナリズムと戦後民主主義最後の対話』
PHP研究所(2002)より

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ジオラマとロケ
どうしてもジオラマ造りには興味が持てないわたしののですが、
ロケは大好きです。
その季節の雲、その日の天候、その時間帯の太陽の位置、など二度とは揃わない条件の中で奇跡の一枚を撮影するのが好きなのです。
ジオラマとロケ
地面とか建物などのセットを並べて撮影、
その後バラして「撤収!」って感じが好きなのです。

過去の奇跡の一枚。
ロケではなかったですが、自分の作ったフィギュアの中では異例に「生きてるな」と自画自賛してしまいます。
不遜

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手元で起こっているいること
40歳を過ぎてから出戻り、
ほぼ6年に渡って作り続けブログを書き続けてきたのですが、
過去記事を読むと、ちょっと自分でも苦笑する部分もあるのですよね。
当時、自分の知りうる限りの知識と経験で正直に書いたつもりですが、
いまとなっては「そうではないかもしれない」可能性も感じます。
まあ、無条件に信じる人はいないと思いますが。

それに言葉だけで伝える限界というものも感じました。
よくわからない、うまくできないと思っている人もたくさんいるんだろうなと。

オチキス
代々木ゼミナール講師の富田一彦さんが書いた
『試験勉強という名の知的冒険』大和書房(2012)にはこう述べられています。

『だが、他のところでも述べたように、何かを無条件に信じることはすなわち思考停止を意味する。
その人物画もし知的であり続けたいと願うのなら、それだけはやめなくてはならない。
それがどのような権威ある書物であっても、どれほど優れた人格者の発言であっても、教祖の言葉であっても、もちろん私の言葉であってもだ。
すべてを疑う、のは確かにしんどい。
信じてしまえば面倒は少ないし、同じように信じている人々との相性もよくなる。
だが一方で、それは、引き換えに独自性と自立性を失わせ、もっともらしい嘘にだまされる可能性を生む。
自らを知的に成長させようと願うものは、常にすべてを疑う姿勢を持つように心がけねばならない。
このように、実は勉強という行為には、自分を安住の地から危険な荒野に引き出す可能性が秘められている。
そういうリスクを冒すのが怖いなら、勉強などしないがいいのだ。
もちろん私はこういうことを逆説的に語っているのであって、より多くの人々が勉強を通じて「つい何かを無条件に信じてしまう自分」を意図的に押しとどめようとする精神を培い、精神の自立性を手に入れてほしいと願うものである。』

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サビマガジンvol.24
インパラのサビ。
インパラ

インパラ3

インパラ2

インパラ4

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曇天の光
『ほとんどの人は、雲1つない晴れた日が好きだと言うでしょうが、アーティストや写真家の中には、雲のかかった空のソフトな光を好む人が少なくありません。雲の層が太陽光を拡散させ、光と影の極端なコントラストを消し去るからです。
(中略)
意外なことに、直射日光を受けたときよりも、すべての色がより明るく、鮮やかに見えるのです。』

ジェームズ・ガーニー著『カラー&ライト リアリズムのための色彩と光の描き方』ボーンデジタル刊より。

ブラプリ壁紙

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わたしの弱点はキャタピラである
作り始めてから長らく滞っていたノイバウ。
その原因は、キャタピラの製作にありました。
ノイバウに限らず、たびたび滞る車輌のなんと多いことか!
その原因がキャタピラの製作工程なのです。

戦車のもっとも特徴的な部分であり、力強さを演出する根源である無限軌道でありますが、それをもっとも効果的に演出しようとすれば(ベルト式キャタなどは使わないとすれば)、その製作においてはただひたすらに無機質なルーチンの繰り返しを強いられます。
このルーチンというのがとっても苦手なのです。
一コマ一コマ、ゲート跡を処理する必要がありますが、もはやランナーから切り出した時点で「うげー」っとなってしまいます。
ここにわたしの精神力の弱さをみるのです。
(マジックトラックとフリウルが最高に好き。かつてもっとも時間のかかったのが旧版の(スマートキットでない方の)三突F/8ウインターケッテで、情けないことに1年以上費やした)

戦車モデラーの多くは相当忍耐強い人たちだと思う。
ここを乗り越えて完成に至らせるのだから(みんなすごいよねえ)。

そこで対処法としては、生まれ変わることにしました。
日々生まれ変わる。
毎日、朝起きたら、ちがう自分になっているのだと思い込んで、事に当たるようにします。

そうしてノイバウのキャタピラ、組みました。
取付けたままレッドブラウンで色を塗りました。
ノイバウキャタ2

さらに多様な表情を盛り込むためには、一度は巻いたキャタピラをいったん取り外します。
スプロケット付近にリンクを外すポイントを定め、そこにエナメル溶剤を流します。
しばし待ちます。
少し動かして外れないようなら、リンクの隙間にカッターを入れ、バリアとなっている塗料を破ってからエナメル溶剤を流し込みます。
接着剤が無力化され、外れるようになります。

あとは好きに塗装し(今回は以前やっていた歯ブラシ飛散法)再び巻き付けました。
ノイバウキャタ3


ところで女の弱点ってなんだか知ってます?
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ボックスアートに見る側面最明法
AFVCLUBのSd.Kfz.263の箱絵です。
上面よりも側面を明るく塗ったという点でまさしく側面最明法なのです。
この絵の場合は、太陽の反射を表現していると思われ、太陽の位置(角度)を強烈に感じさせるものになっています。
側面を明るく塗ったからといって、違和感は感じませんよね。
p側面最明法2

タミヤマチルダの箱絵は、全体としては側面最明法ではありません。
ただ、「反射」という考えは取り入れられており、
太陽の反射による第二光源の影響を表現してあります。
サイドスカート下端から後方にかけて、地面あるいは近接する建物からの反射光で明るく塗ってあります。
p側面最明法
特筆すべきは、キャタピラの下面です。
普通のモデラーなら黒く塗ってしまうところですよね。
地面からの反射があるので真っ黒い陰にはならないのです。

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