戦車模型 AFV fun
それは男の憧れる力の象徴。無敵の装甲は、びくともしない不動心へのあこがれ。鋼鉄のキャタピラは信念を曲げず困難を乗り越え突き進む哲学の具現。        
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褪色について考える 2
モデラーにとって、「褪色表現」は考え方の様々なひとつの難題です。
褪色表現をどのように取り入れるかは、作品のスケールやアプローチの仕方でそれぞれに変わってくるものだと思いますが、(6メートル足らずの四号戦車の後方が褪色して見えるもんかとか、タイタニック号は新造船でも褪色して塗った方が大きく見えるとか、宇宙戦艦ヤマトは宇宙空間では褪色して見えないので原色で塗るべきだとか)

なぜ褪色して見えるか、褪色とはどのようなものか、
さらには、どのように表現に取り入れるかについて
モデラーにとっての確立された考え方は、まだネット上でも見ることがありません。
わたしも微力ながら、解決の糸口を常々考えています。

鑑賞するときの立場で褪色とは何かを考えると、
それは赤色が本来の赤に見えないことであり、
黒色が、本来の黒に見えないことです。
同様に戦車では、ダークイエローが、ダークイエローに見えず、ダークグリーンが、本来のダークグリーンに見えない。
一般的には、どの色も白っぽいグレーや、薄いグレーに収束するようです。

前回の「褪色について考える」記事では、その原因として
1.対象物の塗料そのものの褪色「劣化褪色」
2.空気中の塵・水分により褪色して見える「空気層褪色」
をご紹介しました。
今回は、それらより褪色して見える原因として比重が大きいと思う「映光褪色」についてご紹介します。

光のない世界に色はありません。
光のない世界は、ただひたすらに闇、暗黒の世界です。
「色」とは、光が当たって生まれる物質固有の反射スペクトルからできています。
恒星の光の届かない宇宙の辺境に、
もし戦車が浮かんでいれば、真っ黒にしか見えないはずです。

ひとつの恒星を光源とする世界の見え方は、光の当たる「色の存在する世界」と
「色のない暗黒」との二極化した世界になります。
地球

しかしながら、地球上では太陽光の当たらない陰の部分でさえ
けっして暗黒にはならない。
それはなぜか?
フィレンツェ
第二の光源が、副光源として存在するにちがいないと考えました。
そして、それは「空」なのだと思います。
なぜなら、大気がなく空のない月ではこのような見え方をするからです。
クレーター


つまるところ、すべからく野外における車輌には
副光源としての空が映り込んでいます(たとえ曇りでも雨でも)。
ポルシェ
つや消しの車輌では反射が拡散され
わかりにくいにせよ、映り込んでいることには間違いがないです。
これを、「映光褪色」(映り込み褪色)と呼び、褪色して見える最大の要因だと捉えたいのです。
(映光褪色は、わたくしの造語であり、ググっても出てきませんよ)
スカッドB
車輌の上面ほど、本来の色から遠ざかり、白っぽく褪色して見える現象が
街のあちこちで見ることができるはずです。
(日中の空は、白っぽく見えるほどに強力な光源だといえます)
(では、白いクルマにはどんなふうに映り込んでいると思われますか? 街でご確認ください)
この考え方で、世の中を見渡すとありとあらゆるものに、空は映り込んでいます。
ついでにいえば、その状態で(わずかにブルーがかった光の照射された世界で)、
人間の目はホワイトバランスが「適正」となるように補正されているのだと考えられるのです。
もうひとついえば、フィルタリングとは、いろいろなものの映り込みを再現する技術だったのですね。

異論、反論、ご意見お待ちします。いつまでも。

テーマ:模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル:趣味・実用

コメント
この記事へのコメント
白と黒・・・
暗黒の世界に色は無い(黒だけ)
>もし戦車が浮かんでいれば、真っ黒にしか見えないはずです。

光の世界の中心は白の世界なのでしょうか?
光が強ければ強いほど色は明るく見え色素が欠乏したように感じます。
明度が上がり彩度が落ちます。

プラモデルの完成品も光の当て方で色合いは様々に変化しますね。

実際に退色と言えば太陽光線により元々の色が変化して行く事だと思いますが、光源の強さにより色が白と黒の狭間を行ったり来たりしているのは確かですね。

そして天気にもよりますが地上に届く光より明るい色は暗くなり、暗い色は明るく見える。

>この考え方で、世の中を見渡すとありとあらゆるものに、空は映り込んでいます。
光を受けている全てが映り込みますよね。

「映光褪色」を今後、宮崎さんがどう模型に表現して行くのか何だか楽しみです。(ハンス)
やりますよね師匠!ゴッホを超えて下さい。・・・(リヒター)
2009/11/19 (木) 23:44:30 | URL | Hans=Sheaver #-[ 編集]
フィルタリング
>フィルタリングとは、いろいろなものの映り込みを再現する技術

フィルタリングは退色表現と混同(表現自体の違い)されたり、ウォッシングと混同(表現と技法の違い)されたりしていますが、本質はおっしゃるとおりのものであると私も思っています。
雑誌等の説明ではピンとこなかったのですが、ある模型ブログで、同じベース色に三原色それぞれでフィルターをかける例を示してあったのを見て、なるほどと思いました。
(写りこみ表現に関しては、フィルタリングが出てくるはるか昔にAM誌で平田氏が言及されていましたが)
素材感を追求されている(と思われる)宮崎さんが、一種の錯覚である退色や写りこみ表現とどのように折り合いをつけていかれるのか、楽しみです。
2009/11/20 (金) 11:57:38 | URL | 通りすがり #-[ 編集]
Hans=Sheaverさんへ
いつも重要な示唆ありがとうございます。
「黒も色のひとつなんだよ」と。なるほどおー。

普通の光(?)だけを想定していましたが
光源が白色巨星みたいにものすごく強かったり
反射の度合いが強烈であれば
それらによっても「白色方向へ褪色して見えるんだよ」と。うん、そうですねー。

光源と言えるほど強く、最大のものが「空」だと思うのですが
ハンスさんのおっしゃる通り「光を受けている全てが映り込みます」ね。
それらその他大勢の映り込みを表現する手法が「フィルタリング」というわけですよね。
戦車の表面は、
映り込みによる「意識できないレベルでの階調差」によっても情報量が増えていたんですね。
フィルタリングとかウソっぽい技術だなあと思っていたのですが、根拠があったのですねえ。
2009/11/20 (金) 19:14:48 | URL | 宮崎 #cXp81IFc[ 編集]
はじめまして、通りすがりさん!
ご意見ありがとうございます!
表現手法などについて造詣が深く
キャリアもお持ちの方とお見受けいたします。

>雑誌等の説明ではピンとこなかった
簡単なことをむずかしく書くことが簡単なのか、むずかしいことをわかりやすく書くことがむずかしいのか?よくわかりませんねー。
わたしも一度読んだぐらいではよくわからずに、もう一度、本腰を入れて読み直してようやくわかったりわからなかったりです(笑)。

>一種の錯覚である退色や写りこみ表現とどのように折り合いをつけて

それらは写真撮影にまかせておいて、とにかくリアルな車輌を作ることに注力すればいいのではないか、と思っていました。
が!
現実には、それら光学分野の現象も表現手法に取り込んだ作品を見るにつけ
クリエイティブでおもしろいなあ、印象的だなあと思わないではいられません。
考古学的な手法で完璧に再現したリアルな模型も
拡大鏡的な特殊撮影をした画像でしか、
その真価や曲芸的技術を理解されない場合も多々あります。
「なぜ模型を作るのか?」
「そのミニチュアでなにを伝えたいのか?」
「なんのために表現するのか?」
とにもかくにも
すべては自由です。
クリエイターが自由に創作活動をするとき
各人の内なる答に基づいて
もっとも効果的な表現手法が採用されることでしょう。
光学分野まで取り込んだ表現も、
作品のテーマによっては、自ずと必要とされることになるはずです。
2009/11/20 (金) 20:06:16 | URL | 宮崎 #cXp81IFc[ 編集]
初書きこみさせていただきます。
実はプラモ復帰時にこちらのブログを検索で発見し
それいらい毎回拝見させていただいておりました。
ちょうどポリキャタピラの弛み表現するやり方が考察されている会で、目から鱗状態で自分の作っていた車両にもためさせていただきました。

いやぁ、今回もうならせていただきました。

これかも考察を表現へ繋げていく試み楽しみにさせていただきます。
2009/11/21 (土) 04:56:44 | URL | わんこ #-[ 編集]
はじめまして(笑)、わんこさん!
わんこさんのブログは結構笑える楽しさに満ち満ちていますね。
サムソントレーラーで運ばれるガンタンクは
ナイスなアイディアです。
その他にも、意欲的な実験がされていて
なかなかに面白いです。
これまで見逃していました。

これからもよろしくお願いします。
2009/11/21 (土) 21:02:49 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
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