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戦車模型 AFV fun
それは男の憧れる力の象徴。無敵の装甲は、びくともしない不動心へのあこがれ。鋼鉄のキャタピラは信念を曲げず困難を乗り越え突き進む哲学の具現。        
木部の塗装
木部の塗装は、スコップの柄などでしか経験がなく
まだまだ模索段階なのですが、1つの例としてトラックの荷台を仕上げました。
拡大すると、それなりにイイかも?
木部の塗装
これはファインモールド社の帝国陸軍九四式六輪自動貨車の荷台です。
ファインモールド荷台

キットでは、木目のモールドはすっぱりと省略されているので
(マニアは、どうせ気にくわないから自分で入れるだろという判断なのでしょう)
ヤスリを使ってそれらしく木目を入れました。
木目の入れ方もどのようにすればベストなのか、ヤスリや削り具合を確かめながら
慎重に進めました。
経験値が高くなってくると、パッパッとできるようになるのでしょう。

そして、すでに褪色したかのようなグレーがかった明るめの木の色をベースに塗り
エナメル溶剤でうすく溶いた油彩を
淡い水彩画のように丁寧に何度も重ね
暗くならないよう注意を払いながら用心深く
色の変化をつけていきました。
ウエザリングマスターでのドライブラシもおこなっています。

で、この経験をもとに本題に入ります。
本題は、ヒロナリさんとのコラボモデルとなる平積み貨車です。
ヒロナリさんは巨大なドイツの駅を中心としたジオラマを構想しておられ
その中に、この貨車と後送中の車輌を参加させていただくことになっています。
1/35の作り込まれた建物の威力はすさまじく、世界観の広がりが普通のジオラマとはちがいます。
そこに参加させていただくのですから
全力を尽くして、出来る限りのものを提供したいと思っているのです。

ドラゴン社の平積み貨車は、木目があらかじめ再現してあります。
そこにさらにヤスリで木目やキズなどを追加しました。
平積み貨車
ここで疑問です。
この平積み貨車という代物は、平時にも存在するのでしょうか?
それとも戦車を輸送する目的で応急的に作られたのでしょうか?
現代のコンテナを積載する貨車には、上面に板が貼ってないように見えました。
板を貼った時期や目的が、どのような色に塗るべきかの手がかりになるはずです。
海外の掲示板でどのような色で塗るべきかという質問がでていました。
答えは「ウォームウッド」でした。
これはどういうことなのでしょう。木地そのままの色ということなのでしょうか?
防腐剤などの塗料は塗られていないのか、塗ってあるが木材の色のままなのでしょうか。

疑問を抱えたまま塗り始めます。
デッキタンで全体を下塗りしました。
デッキタン塗り
風雨にさらされたままのトラックの荷台などは、色素が落ちて白っぽいグレーに近いものだったりします。
そのイメージから始めて、油彩で色を加えていけば良いと考えました。

九四式六輪自動貨車と同じようにしてみましたが、木目が粗いこともあり同じようになりません。
さらにヤスリで木目を加え、塗りもだんだん濃くしてみました。
画像ではぱっとしませんが、かなり手を入れています。
油彩仕上げ
でもイマイチですね(悩)。

ここで思い切って、ヘアスプレー法を試してみることにしました。
前回の失敗に懲りずに、またモッズヘアーを使います。
モッズヘアー
髪にツヤを出す成分が含まれているのでしょう。
乾燥してもツヤありです。
(雨に濡れた表現に使える可能性を感じます)

上塗りの塗料は、ラッカーのウッドブラウンとアクリルのリノリウム甲板色の2つを使い
結果を比較してみます。
ウッドブラウンとリノリウム甲板色

豚毛の筆(100均にて入手)を使い、こするように色を落とします。
歯ブラシなどでも代用できるかと思います。
豚毛のブラシ

リノリウム甲板色は、強烈すぎたので、バフでわずかにフィルタリングしています。
露出した木部には、イエローオーカー(黄土色)にホワイトを混ぜた油彩で、フィルタリングし、黄色味を加えました。
評価1

実際の貨車がこんな色だったかは別にして、まあ塗料の剥げた木部の感じがでました。
ウッドブラウンの方が、yockeyさんの言われるとおり、まさにペンキの剥げた校舎の感じがでてます。
評価2
リアルさをストイックに追求する場合、
ここからさらに泥を被せます。
そしてキャタピラ接地面のサビ移り、
オイル漏れの油染み、
冷却水の漏れで湿った部分、
そして完成、
というのが終盤で見えてくるヨセの手順ですが
ヒロナリさんの意図する「大戦初期の美しいドイツの駅の風景」というイメージから
離れてしまう可能性もあります。
車輌が載ってしまうと、多くの部分は見えなくなってしまいますので
いったんここで中断し
最後の仕上げは、車輌込みで考えたいと思います。


テーマ:模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル:趣味・実用

コメント
この記事へのコメント
 まーく2はどろっぷした。きのうはなしをしたのも、まあだって病気のつらさや理解
ありますか?ちわっくすも理解あるしわかりますか?わたしの家にくるといってましたよね。理解と行動力におねがいします。たすけてほしいです。
2010/12/09 (木) 21:13:38 | URL | remonn #-[ 編集]
これはすっごい!
何も言わず写真だけアップしたら
誰も1/35だとは思いませんよ!
本物にしか見えません。
久しぶりにドキドキしちゃいました。
私の中では木目塗装も永遠のテーマですが、
宮崎さんの塗装への探究心には脱帽です。
2010/12/10 (金) 08:20:50 | URL | Hyatt #4ARdecsc[ 編集]
毛筆の錬金術師
おはようございます!
まだ記事の途中だとは思いましたがコメントさせていただきます。
最後の写真が仕上がりの状態だと推測しますが感想は
「あ、懐かしい」
でした。
とういのが、私の通っていた小学校~高校はそれは古い木造の校舎でして、最後の写真のような木造構造物をいたるところで見かけました。
それくらい「木」ですよ!

西洋のモデラーを含む芸術家というのはキャンバス、絵の具、粘土の塊から全く別のものを作り出すというある意味、錬金術師的な思想が根底に流れているからあれだけリアル且つ迫力のある作品が作れるのかなと最近感じております。
2010/12/10 (金) 11:56:02 | URL | yockey #-[ 編集]
これはもう
プラじゃありませんw

現実追求の究極!
木以外の何者でも無い。

ただ、このレベルのものがあると、他の構造物も同じような徹底的な追求したものでないと、バランスをとるのが難しそう。

この上に載せる車両を作るのは、とりあえず私は絶対に無理!
2010/12/10 (金) 20:06:01 | URL | しげしげ #-[ 編集]
途中経過
今晩は宮崎さん。

「ウォームウッド」て何だか良く判りませ~~~んっ!・・・(汗)
途中経過の写真の状態で充分な気もしますね~。
でっ教えてオペルブリッツの荷台はど~したら良いんでしょ~っ!・・・(悩)
2010/12/11 (土) 00:47:41 | URL | ハンス #-[ 編集]
remonn さんへ
??????
2010/12/12 (日) 17:54:12 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
Hyatt さんへ
ありがとうございますぅ。
木目の塗装は(も)、奥が深いので探求し甲斐がありそうですね!
2010/12/12 (日) 17:58:10 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
yockeyさんへ
こんばんは!
錬金術師、その発想は的を得ているかもしれませんね。
科学技術の分野でも、人間のチカラに微塵の疑いもなく力づくで、成し遂げようとする傾向がありますからね。

日本人の自然と寄り添い、共存するような優しい性向は、塗装思想にも影響を及ぼすのかもしれません。
2010/12/12 (日) 18:05:59 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
しげしげさんへ
ありがとうございます。
ですが、まだまだ究極でもなんでもないですよ。
カメラの目でミクロに見ると良いかもしれませんが、展示会などでは、まったくどうってことないでしょう。
まあ、貨車の上に載る車輌が主役なので
板が目立つ必要はないのですがね(笑)。
2010/12/12 (日) 18:57:49 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
ハンスさんへ
もしかしたらウォームウッドではなく
Weathered woodの間違いだったかも?
http://www.google.co.jp/images?um=1&hl=ja&biw=957&bih=897&tbs=isch%3A1&sa=1&q=Weathered+WOOD&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=&aql=&oq=&gs_rfai=

moppuさんがライフカラーのWethered WOODセットで塗られた作例がこちらで見ることが出来ます。
http://panzermodelling.cocolog-nifty.com/mains/2010/06/post-f1a3.html#search_word=%E5%B9%B3%E8%B2%A8%E8%BB%8A

ミグ・ヒメネスさんの塗装例ではこうなってます。
http://www.amigo2.ne.jp/~marutake/migproductions/72353.jpg

オペルブリッツの荷台は
塗料が剥げた状態の表現ではなく
木目の再現手法として
剥がし塗装を用いてなんとかやってみてほしいですねー!
細かな木目が再現できそうな気がしてるんですよ。
2010/12/12 (日) 22:07:52 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
キャノンコンペ
柳瀬敬之賞の受賞おめでとう御座います!!
とてもハイレベルな作品群の中でも存在感抜群の宮崎さんの作品は
表現、というものの幅広さと奥深さを感じさせる素晴らしい作品でした
何らかの受賞をされるのではないかと確信していましたが、やはりですね。
兎に角おめでとう御座います!!

そして次作。
フラットデッキの塗装、なんとなくですが何度も塗り直しをされた古い木造校舎の壁面を連想しました。まるで本物の木加工品のようです。此方もやはり完成品を見られる日を期待しております!
2010/12/14 (火) 22:01:17 | URL | いさな. #-[ 編集]
キャノコンおめでとうございます
受賞自体もおめでたいですが、

閲覧者の皆さんのコメントもすごかったとのことで、
ガンプラモデラーの度肝を抜けたことが
非常に嬉しいです。

2010/12/15 (水) 10:32:39 | URL | purejam #-[ 編集]
いさな.さんへ
ありがとうございます!
ここ数日ネットに繋げない状態が続いてまして、浦島太郎になってました。

賞と名の付くものは、どん欲にいただけるものならいただきたいので素直に受賞を喜びたいですね。
じわじわと嬉しさが増してきます。

応援ありがとうございました!
2010/12/15 (水) 23:31:03 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
purejamさんへ
ありがとうございます!

AFVモデラー代表みたいなかたちになってましたので、
「ふうん、AFVモデラーってたいしたことないな」
と思われないように悲壮な決意でがんばりました。
まずはよかった、よかったです。
これからもよろしくお願いいたします。
2010/12/15 (水) 23:37:09 | URL | 宮崎 #-[ 編集]
カ、カドにぃっ!
角部分に手が入らなくて
中心部ばかり木目表現が
増えてしまうんですよねぇ。

なにも考えず、箱組みしてから
気づくのがイケナイ?

イヤァ、思慮がたらないもんで。
2010/12/18 (土) 04:25:12 | URL | malpacino #-[ 編集]
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