戦車模型 AFV fun
それは男の憧れる力の象徴。無敵の装甲は、びくともしない不動心へのあこがれ。鋼鉄のキャタピラは信念を曲げず困難を乗り越え突き進む哲学の具現。        
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明るいジャーマングレイ
この車輌で実現したい最大のテーマは
「できるだけ明度の高いジャーマングレイ塗装」
にあります。
これの意味するところは
(明度は高く明るい色なのだけれど、それは野外の日差しの下にいるから、そう見えるだけであって、本来の塗装色は暗いジャーマングレイで塗られた車輌なのですよ)
ということが理解されるような仕上がりにしたいということなのです。

1)明度を高く保つ(ウエザリングも含めて)
2)ぎりぎりジャーマングレイに見える明るいグレイの色調域を探す
3)カラーモジュレーションも取り入れる
4)リアリティも失わない
5)アーティスティックな魅力も付加する
以上を目標に塗り始めます。

タイトルバック
下地塗装は、以下のように塗りました。
いろいろ考えはありますが、今回は中心議題ではないので割愛いたします。
下地塗装

さて、基本塗装色です。
グレイ塗装の研究という点では、地球連邦軍61式戦車に次ぐ第二弾となります。
61式戦車は、最大明度の色をホワイトそのものとし、砲塔天板など水平面の多くに使いました。
それを基準として、順々に明度の低いグレーを鉛直面に使っています。
結果、全体として、やや白っぽすぎるという評価をいただいています。
そこで今回は
「水平面とそれに準ずる面にスカイグレイXF19」
「鉛直面から45度までの斜めの面にライトグレイXF66」
を使ってみます。
塗分け
二色のグレイで塗り分け(カラーセパレーション)しています。
光の当たり具合で、明度がかわって見えるかのようですが、はみ出した部分で異なる色を塗っていることが判断できます。
塗分け2
いくつか塗り残し(フェンダーのフチ、後部の箱)もあるようですね(笑)。

現時点で、ジャーマングレイのビン生で塗った車体下部とはこれだけ色の差があります。
奥まっているので暗いように感じますが、事実はちがう色を塗っているのです。
車体上部と下部の明度差


ここで、エアブラシによる塗装についての話なのですが
エアブラシ作品をじっくり見ていると、なんとなく「粉っぽい」共通の印象を受けることがあります。
グラデーションの入った作品では、特に顕著です。
ニードルなどの精度差によるものなのか、空気圧などによるものなのか、塗料の粘度によるものなのかわかりませんが、粒子が感じられてしまうような塗装面の印象です。
「エアブラシの弱点見つけたり!」
エアブラシが得意とするのは、情報量の無い均一な塗装面を作ることであって
一見、得意だと思われているグラデーションは、ミクロレベルで見ると粉っぽいという弱点を有しているのではないか?
と思ってしまったわけです。
すべての作品がそうだというわけでもありませんので、なんらかの解決策も用意されているのだとは思いますが。

筆塗りには、当然、筆ムラが起こります。
筆ムラが出ないように、塗る技術も習得可能ですが、
最新のトレンドは、筆ムラを情報量として積極利用するのです。
単純に塗るだけで、雨だれ表現がもれなくできてしまいます。


かつてカセットテープデッキにdbxという技術がありました。
友人の買ったテクニクスのコンポに付いていたのを見て初めて知ったのですが、カセットテープのダイナミックレンジを拡張して良い音に聞こえるようにするしくみです。
dbxと同様の考え方で塗るのが
「ダイナミックレンジ拡張塗り」
です。
本来、単色で存在する物体の色を、陰の部分はより暗く、光の当たる部分はより明るく、コントラストを強調して塗ります。
「なーんだ、それはプレシェーディング(MAX塗り等)も同じじゃん」
と思われた方、それはちがいます。
「かげ色を残す」とはいうものの、厳密に陰の部分に限定されておらず
どこか不自然さがつきまとっていました。
明るく調色した色を吹く場合でも、文字通りエアブラシでテキトーにはみ出しながら吹くので
光の反射とは言い難い仕上がりでした。

光源の位置を正確に規定することなく塗られた
なんちゃってカラーモジュレーションも、
平面であるにもかかわらず、あちこちにグラデーションが生じて、わけのわからない出来上がりになっていました。

そこでダイナミックレンジ拡張塗りでは、男らしく
「光源を厳密に規定」、「色の境目は面の境目」、「同一面は同一色で(グラデーションはやるとしても一部だけ)」とします。
あくまで原則ですね。(例外は常にある)

カラーモジュレーションの参考にしたのは、AM誌131、『カタカナ技法チンプンカンプン』の号に載っているミグさんのBT-7です。
多方向からの光を再現するとするカラーモジュレーション法は、濃淡の強弱だけを見れば
やはりどこか不自然さを残しており、基本塗装後のウエザリング工程では
それを消すことに躍起になっているように思えます。

多方向からの光は今回採用せず、斜め前方に光源があると規定してハイライトを入れます。
光源を限定した理由は、今回は動いている車輌を再現しており、当然その活動は野外であることから、太陽光だけを光源とするのが自然であることと
前へ進む車輌イメージから、天頂部にハイライトをもってくるより先端部にハイライトを入れた方が、より勢いが強調されると判断したからです。
モジュレッタ
もっとも明るい部分を「砲身基部の左右の斜めの装甲板」と「車体先端の斜めの装甲板」と決め、油彩のホワイトと明るめのグレイを混ぜたものを塗り延ばしました。
(ここでも筆目が残っていますので、純粋に基本色塗装ばかりでなくウエザリング的情報量も同時に入ってしまったことになります)

部分的にウエザリングマスターのグレイで色のちがいを表現してみました。
モジュレッタ2

明度の基準点として、純白の国籍マークを入れました。
タイトルバック

テーマ:模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル:趣味・実用

コメント
この記事へのコメント
筆ムラムラ
その5つの目標、すごくよくわかります。
明度を高めにすることや、色の幅を考えるのは
最近特に意識しながら塗っています。
ウェザリングは明度が低くなりがちですから。
リアルでありながらもやはり作品は美しかったり
かっこよくなければならないと思っています。
エアブラシはグラデやられる方は
そのままで終わらせてしまう方が多い気がします。
グラデした後からフィルタリングしたり、
エナメルで磨き上げしたら表面もあらくならないんでしょうねぇ。
筆のムラは表面に微妙な凹凸が出来るので、
それがかえってリアルに見えるときがある気がします。
最近はその凹凸のスケールも意識しながら塗っています。
出来ているかどうかは微妙ですが・・・
意識することが大事だと信じております。
2011/02/17 (木) 09:31:41 | URL | あに #V8JG6pNI[ 編集]
もしも完成したら・・・
 エアブラシの粒子感は必ず出ます。

 でも、スケール感が違うので何ですが、実物もスプレーガンでは出ますよね。

 しばらく(・・・十数年?)、やってないのでなんですが、粒子感を押さえるための方法はあります。

 今、仕掛かりのM4系が、もしも完成したら、一度、やってみましょう。(;^_^A
 キモは、乾燥のコントロールと塗料だと思います。・・・写真と一緒でしょう。

P.S.
 筆塗り派の人にとっては、最近出た
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4499230438/cagylogic-22/ref=nosim
の田中克自氏の手法は、宮崎さんの手法とはまた違って、
得るものが多いんじゃないかと思いました。
2011/02/17 (木) 10:06:04 | URL | iChamaru #GV3LfJa6[ 編集]
筆塗りカラーモジュレーション!
確かにエアブラシは粒子で塗膜を形成するから微小レベルでぶつぶつ感がかんじられますよね。
特に乾燥が早く、塗膜の粒子が硬いラッカー系塗料をエアブラシすると希釈の度合いにも寄るのでしょうが顕著に現れる気がします。
私はラッカーエアブラシ⇒ラッカー筆塗り⇒アクリル塗料筆塗り⇒アクリル塗料をラッカーシンナー希釈でエアブラシ
と変遷を辿ってきましたが、やはり自分の表現したいものに合わせて技術も変えていくべきなのかな?という考えに至ってますが、いずれもまだまだモノに出来ておらず悶々とした模型ライフを過ごすばかりでございます~。

やはり模型も「道」ですね。
2011/02/17 (木) 14:59:01 | URL | yockey #-[ 編集]
あにさんへ
コメントありがとうございます。

意識することは大事ですよね。
自然の中には、多くの美があります。
自然が美しいものを作れるのだから、リアリティと美しさはきっと両立できるはずだと思っています。

2011/02/17 (木) 20:34:01 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
iChamaruさんへ
ご紹介の田中克自さんの本、レヴューを読むかぎりではかなり期待で来そうですね!
う~ん、読んでみたい。

ご紹介ありがとうございます。
M4もたのしみにしてますよ。


2011/02/17 (木) 20:38:31 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
yockeyさんへ
こんばんは、コメントありがとうございます。

無数の塗装バリエーションがあり、奥の深い道ですよねー。
道というは、「未知」に通ずるのかもしれません。
行けば行くほど、知らざることを知るようになります。

(お!我ながらうまいオチだな)

2011/02/17 (木) 20:43:48 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
私も1号C型を作りだしたんですが、グレイ塗装にするか悩んでいます。小さい車体だけに個人的に難しいと感じています。宮崎さんの展開、楽しみです。

モジュレーション、流行ってますね!でも皆エアブラシで、画一化っていうか、同じに見えますね。元々CGを意識した塗装法だから個性とかを排除した、無機質な技法ですね。まぁ、それもあり、ですが。
2011/02/18 (金) 00:47:48 | URL | dickermax #X.NmPtlw[ 編集]
dickermax さんへ
1号C型ですね!
小さい車体を活かして、小粒でキラリと光る作品にされてはどうでしょう?

実車のジャーマングレイって、けっこうダークな色なんですよね。
そこで、ダークでつやありな新車状態というのもおもしろそうです。

面を鏡面仕上げにしたり(これ重要)、エッジをきれいに立てたり、接合精度を上げたり、塗膜を薄く仕上げたりで、
鉄板の薄そうな繊細さと、硬質感を両立させて、

色も暗めにして、ツヤ消し塗装の表面の乱反射を指でこすって押さえ気味にしツヤを持たせる仕上げにすることで、光の反射をよく伝え
「ナチュラルカラーモジュレーション」
が実現できるかもしれません。
写真に撮れば、自動的にカラーモジュレーションになっているという。

それにしてもカラーモジュレーションという言葉の意味するものは
色の変調の原因が、光源にあるのですから
かつてさんざん議論していた「褪色」と同じ意味ではないかと
思えてきました。
「光源褪色」もしくは「映光褪色」と現象としては同じのように思います。



2011/02/18 (金) 19:54:57 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
戦線離脱中ですが・・・
タミヤ・アクリルをラッカーで吹くと
粉っぽさが増すような気がします。

次の工程や、別の色を塗る為に
乾燥の早さに重きを置くと
どうしてもそうなってしまいますね。

メーカーや色によっても顔料の
粒子の大きさがマチマチなので
粉っぽさを狙ったり、抑えたりは経験でしょうね。

フィニッシャーズカラーはカーモデラー御用達で
粒子が細かく粉っぽくなりにくいものが多い感じがしますね。

2011/02/19 (土) 06:55:19 | URL | まる #-[ 編集]
宮崎さんの狙う所は・・・
「光源を厳密に規定」、「色の境目は面の境目」、「同一面は同一色で(グラデーションはやるとしても一部だけ)」ということは、

「太陽光の直接射の空間の中での戦車」

という事になるんですかね?

写真を拝見しても、背景のブルーをオミットすると、そういう光の中にあるように見えます。
2011/02/20 (日) 01:03:11 | URL | しげしげ #-[ 編集]
まるさんへ
コメントありがとうございます。

エアブラシにも経験値が必要そうですね。
自由自在に使おうとするならば、道具は何であれ奥の深い世界があるのは当然かもしれませんねー。
いつかは使ってみたいのです。
こうして、いろいろな情報を教えてもらって耳年増になっています(笑)。


2011/02/21 (月) 09:21:27 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
しげしげさんへ
コメントありがとうございます。

はい、野外で活動中の様子を再現した車輌ですのでそうなります。

多方向から光が当たっている状況を再現したアダムさんとミグさんのアイディアは天才的だと思いますが、本家でも試行錯誤した初期の作品は、不自然な感じもありますね。
自然な感じにするのがむずかしいのだろうと思います。

ショールームのような展示で、クルマなどの立体感あるデザインを強調するためにライティングを凝らした雰囲気として製作するならば、逆にすんなり受け入れられる表現でしょうか。

ですから、わたしのは正確な意味ではミグの指すカラーモジュレーションとは言わないのかもしれませんね。

2011/02/21 (月) 09:31:23 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
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