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戦車模型 AFV fun
それは男の憧れる力の象徴。無敵の装甲は、びくともしない不動心へのあこがれ。鋼鉄のキャタピラは信念を曲げず困難を乗り越え突き進む哲学の具現。        
何を夢見て戦ったか
「ドイツの人たちは、なぜヒトラーに魂をあけ渡してしまったのだろう」
教科書ではよくわからない疑問でした。

『ヒトラーの経済政策ー世界恐慌からの奇跡的な復興
武田知弘著 祥伝社新書
を読んで、謎の一端が解けました。
国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)は、つまるところ初期の段階においては国民に実利を与えたのでした。

前掲書によれば、
『 それまで、総額で3億2千マルクに過ぎなかった公共事業にヒトラーは初年度から20億マルクの予算を計上。
鳴り物入りの国家事業としてアウトバーンの建設を始める。
まず労働者の賃金を決め、逆算して予算が組まれた建設費は、
その46パーセントが労働者の賃金になっている。
ナチスの作った労働戦線組合が企業を監視しピンハネをゆるさなかった。
買収する土地は計画時点での地価が基準とされた。
労働者の待遇も良く、各所に約100個の特殊設備をされた宿舎があり、常時約2万人の労働者が宿泊。
ナチス労働戦線の慰安娯楽局が、アウトバーン工事現場の各宿舎を定期的に回り、スポーツや読書、映画上映会や演劇会が催されていた。
戦争中も工事は続けられ、終戦時までには4千キロになっていた。』
という。
フィギュア3
さらに
『 中高年労働者を優先的に採用し女性は家庭に返す政策を採る。
同じ職を与えるならば養う家族の多いものを優先させる考えからである。
大規模小売店鋪(デパート)の出店を制限。
ベルリン信用保証協会などの中小企業向け信用保証制度もつくった。
農産物の暴落を防ぐために穀物価格安定法でゆるやかに価格を固定。
世襲農場法によって弱小農民に農地を借金のカタにとられないで、借金の返済を減免するようにした。
都会の青年有志を半年間、農業支援に赴かせるようにもした。青年たちには農家が宿と食事を提供し、職業紹介失業保険局から若干の給料が支払われた。
当時560万人もいた失業者には、若くて職に就けず結婚も出来ないものも多数いた。
そのため結婚貸付法をつくり、1千マルク(半年分の賃金相当)を無利子で貸した。
子どもを1人産むごとに返済金の1/4が免除され、4人産んだ夫婦は全額返済免除となった。
1932年の51万件から1934年は73万件に結婚数が増加し、出生数は20パーセント上がった。
突撃隊という私設軍隊をつくって若者に住む場所と食糧を与えた。
企業には配当制限法にて資本の6パーセント以上の配当を制限し、公債の購入を義務づけた。
世界に先駆けて8時間労働を実施。休日も増やした。
慰安娯楽局はドイツのあらゆる劇場を没収し、労働者に音楽、演劇などを広く提供した。
旅行局は豪華旅行や海外旅行を企画し75万人が外国旅行に行った。
歓喜力行団は1942年で2千500万人のナチス最大の組織だったという。
ヒトラーは1933年に税収の1割に相当する大減税をおこなう。
その巧みな減税政策のために、景気が刺激され、なんと51億マルク(1933)の税収が75億マルク(1935)と増えた。
国家社会主義福利団により母子に手厚い支援をおこなう。
貧困母子に食料品、ミルク、衣類、寝具を提供した。
子どもを田園農家に送り栄養をつけさせることもした(4年で179万人)。
満2歳以下の乳幼児は無料で健康診断を受けることができた。
幼稚園の増設。600カ所(1934)から11000カ所(1943)に増加。
子育てに疲れた母親を招く保養所もつくられた。
父親が出征した家族への義援金は、収入の75~78パーセントだった(アメリカ36、イギリス38)。

などなどです。詳しくは読んでね。



さて、フィギュアの方は実際に1/35で手を動かして経験してみようと思い、ぼちぼち実験的に塗り始めています。
フィギュア2

どの色がどんな効果をもたらすのか、どの色にどの色を重ねたときどのような色に見えるのか、未知の分野を手探りで進めている状態です。
ここでもまた、1/1人間と捉えるべきか、1/35フィギュアと捉えるべきかで塗り方に差異が出てくるようです。
フィギュア1
また、リアルに見せるためには目の周り、口の周りの造形はことさら大切であると感じました。
塗装だけではごまかせないものがありますね。

それにしても1/35の目は細かい。
もう、ギブアップ寸前。
よく見えませんもの。
わたしの作る戦車のマイクロリアルを批判する向きもゼロではないと思いますが
フィギュアの顔の方がよほど細かいです。
1センチに満たない戦車のパーツを大写しにして公開する人は少数派ですが、
フィギュアの顔はわりとわかる範囲で公開されている方は多いと思います。

同等の集中力をもってキャタピラのリンク一枚、一枚を塗れば、誰だってすごい作品をつくれると思いますよ。


それから
kazufumiさんの主催でJAPANミリテールフォーラムが開設されました。
フィギュアマイスターを目指す方はぜひこちらで研鑽を積んでください。
貴重な意見が得られることでしょう。
japanミリテールフォーラム




東北地方太平洋沖地震復興応援プロジェクト
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テーマ:模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル:趣味・実用

コメント
この記事へのコメント
こんばんは。
実験とはいえ、宮崎さんの塗る1/35フィギア、嫌でも期待は高まります♪
気長に待ちます。
またビックリさせて下さいw。
2011/05/25 (水) 22:47:43 | URL | ピカ #-[ 編集]
ピカさんへ
コメントありがとうございます。

実際塗ってみて、みんなこんなに小さなところをきれいに塗っているんだとわかり、その技術の超絶さにあらためて感心しました。

先達の方々は、技術的には現在の自分には真似できないレベルなのですが、
出来てくるフィギュアは、どうしても何かひとつ違うと思うものばかりなのです。
わたしの作りたいものとは何かが違うという思いは強く持っていますので
早く表現スキルを上げたいです。
気長にお待ちいただければ、と思います。
2011/05/26 (木) 23:56:33 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
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