戦車模型 AFV fun
それは男の憧れる力の象徴。無敵の装甲は、びくともしない不動心へのあこがれ。鋼鉄のキャタピラは信念を曲げず困難を乗り越え突き進む哲学の具現。        
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色彩設計
塗装をする前に、色彩設計を考えます。

リアリティのみを追求している頃には、まったくそんなことは考えていませんでした。
その頃の考えは
「色なんか、なんだっていい(リアルにしてみせりゃいいんだろ)」
リアルでさえあればいいんだ、本物に見えさえすればいいんだ、ひねくれて星をにらんだボクなのさ、だったわけです。
写真に撮るのが面白かったので、映画撮影用のミニチュアを作っている感覚でもありました。

ところが展示会に出してみたり外人さんの作品を見たりしていると様相が変わってきます。
かつては
「なんで、こんなヘンテコりんな色で塗ってんだ?」
と思っていたものが
「ははあ、そういうわけだったのね」
となります。
で、目下の課題は全力で「いかにして作品の存在感をあげるか?」になるのです。

さて、そうすると色とか明度とかを考えないわけにはいきません。
完成状態の目安なしに塗ってしまうと、汚しというものの性質上、とんでもなく暗く沈んだ色に出来上がってしまいがちだからです。
また、タミヤアクリルの戦車用のカラーはかなり暗めに調色されています。それゆえ本来的に明度が下がってしまう要素があるわけです。

塗る前に考えておくのは
「全体の明度をどの程度にするのか」(白を100、黒を0として0〜100のあいだのどこらあたりに位置させるか)

「明暗のコントラストをどの程度にするのか」(ハイライトに白100を使うか、95〜90程度にするのか。最も暗い部分に黒0を使うか、明暗のレンジを狭くとり50程度のグレイに収めるか)

「どれくらい彩度の高い色を使うか」(アクセントのみ、きわめて彩度の高い色を使い全体は抑えるとか、ある特定色だけを彩度を高くするとか、全体の彩度を高めにするとか)

などです。
これらの全体の印象を決める骨格となる色合いを決めて、その方向に向かって塗り始めます。
もちろん途中での方向転換も場合によっては起こります。
頭で考えることと実際に手を動かすことは違うので、それは仕方のないことです。
その時点でベストな選択をするべきです。
それに手を動かしている時の「ひらめき」もどんどん採用する方が面白く、かつすばらしくなると確信しています。


ご存知、アダムのグリレ17(アーマーモデリング誌152号)。
一言で言えばコントラストの高い作品となります。
明度が高く(明度85)、明暗のコントラストも広く(98〜10)、彩度がきわめて高い色を用いています。
ふつうこうした色使いをすると「オモチャ」になるものですが、力技のようなこれでもかという情報量を投入して、見るものを納得させてしまうんですね。
グリレ17高彩度
平面の中に立体を描いてきた西洋画の伝統というものを強く感じます。


アーマーモデリング誌97号に掲載されているグリレ17。
明度は比較的高く(明度75)、彩度は低くした塗装です。
これが最もリアルになりやすいベース塗装のやり方だと思いますし、もっと見たいと人を引き寄せる効果もあると思います。(近付いて見たときに、魅力的な情報量がつめ込まれているかはまた別の話)
欠点はウエザリングのやり方によってはコントラストが低くぼーっとした印象になりやすいことです。
単体作品とする場合は、ひとつの色は彩度を上げるとか、アクセント物を置くなどの計画が必要です。
グリレ17低彩度
全体の色調の淡さ、控えめな存在感は、日本画の世界と相通ずるものが感じられます。


アーマーモデリング誌147号「戦車模型調色不要論」に掲載されているフィンランド軍三突です。
ライフカラーフィンランド軍用セットを用いて調色せずに塗ってありますが、下地にレッドプライマー色を吹いたためか、真っ暗な作例になっています。
(この特集は、「ああ、やっぱり調色は必要なんだ」と再認識させる正反対の効果を生みましたね。レオパルド2A6や74式戦車の作例もとにかくダークなんですもの)
低明度三突
全体は暗く(明度35)、明暗のコントラストの幅もほとんどなく、彩度も低い仕上がりです。
一般に明度が低いと、どんなウエザリングで情報量を与えてもわかりにくくなります。
それゆえアラが見えにくいとも言えますが、それでごまかす姿勢ではいつまでも上達しないでしょう。
ジオラマの一部分に登場させる車輌としては、主役を邪魔しない塗装法としてアリだと思います。

テーマ:模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル:趣味・実用

コメント
この記事へのコメント
げげっ!
ファイリングして、分析して・・・・。
偶に立ち読み専門の私としては、頭が下がる・・・。
2012/12/12 (水) 18:16:08 | URL | しげしげ61 #J7hbGmQg[ 編集]
しげしげ61さんへ
わお!お返事おくれちゃって申しわげございません!
忙しいのとパソコンを娘に取られちゃってるので、まとまった時間を得られないのです。

見るべき作例(S級、A級)は、けっこう書き込んだりして研究してますよ。
B、C 級ばかりの作例の時はわたしも購入してません。
2012/12/16 (日) 19:56:44 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
これって?
スケールにもよりませんか?
1/35クラスでは多少暗めのほうが重量感も出ますし。
48以下になると、ディティールやモールドを引き立たせるために、明度を上げてハイコントラストにするとか。
昔のロシア軍戦車なんて、製造した工場によってグリーンの濃淡が違ったりしますから(笑)統一規格はなかったようですね。
個人的には、日本陸軍機用のグリーンが似合うかなと思います。
2012/12/17 (月) 17:56:45 | URL | さしこファン #/NMGVras[ 編集]
さしこファンさんへ
スケールにもよります。
おそらく調色せず、ビン生で良いのは1/16スケールぐらいからで、それより小さな模型のほとんどは明度高めで塗った方が良い結果になるかと思います。

>暗めのほうが重量感も出ます

色彩設計はリアリティとは別の話なので、重量感は考えないところで決められるべきだと思っています。
仮に、「重量感」という情報を色で与えるとすれば暗めの色になるかと思いますが、暗く塗ると悪影響の方が多くなるので、積極的にはお勧めしかねます。
別のやり方で重量感を演出した方が、好結果につながるのではないかと。

>統一規格

正しい色(本物の色)で塗っているモデラーは、少ないんじゃないでしょうか。
1/35に落とし込んだ記憶色を再現してみたり、いろいろな理由で明るめにしたり、褪色させたり、彩度を上げたりと思い思いの色で塗って楽しんでいるモデラーが多いようですね。
それでいいんだと思っています。
ロシアのグリーンはよくわかりませんので、適当に塗っちゃってますが、日本陸軍機用グリーンも使えますか?
オイルを被せて泥を塗りつけてあるって話もありますよ。
だから、もっと茶色に塗れって。
2012/12/20 (木) 01:24:39 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
彩度と戦車
おはようございます!
ようやくプラモ作りも復活の兆しが見えてきました。

実際の戦場での兵器運用を考えると、泥沼湿地帯では3号戦車のようなグレー系が、緑生い茂る草原ではロシア戦車のようなグリーン系が、飛行機では陸上からの視認性と空からの視認性を考えて下半分は明度が高めで上半分はグリーン(陸上)、もしくは濃いグレー(海上)などで塗装されると考えます。
いずれにしても彩度は低く、それが視認性を低下させるという目的ですよね。
彩度の高い塗装で視認性を混乱させると言う意味で例外なのはやはりドイツ戦車における3色迷彩でしょうか。

そう考えると稼働中の車輌を模型にする上で展覧会でも目を引くのがドイツ軍の3色迷彩戦車であり、クラッシュモデルなどでの彩度の高いサビサビ模型であると言うのがなんとなく頷けます。

しかしいつも心の底で引っかかるのが、実戦では視認性を低下させて意識を集中させないための迷彩塗装なのに、展示会では目を引くための演出の一つとして用いられる迷彩塗装です。

そう考えると「リアル」を追求しつつ展示会で目を引く戦闘用兵器の模型としての究極の形はサビサビクラッシュモデルなのでは?と考える今日この頃です。
2012/12/20 (木) 08:39:10 | URL | yockey #-[ 編集]
やっと納得できました
分かりやすいレスありがとうございました。
ゴテゴテのサビドロ仕上げには抵抗感があって、手が出ず・・・。
スミ入れていどのディティールアップしかやったことないもんで、視点を変えて見る意識の切り替えが大事だと思いました。

>別のやり方で重量感を演出した方が、好結果

これは履帯のたるみやタイヤのへこみで可能ですよね。
前投稿で自分の考える「重量感」について触れなかったのですが、リアリティとは少しちがう意味もありました。色に関しては、本気で重量感を演出したければメタリックを使うことでしょう。

>正しい色(本物の色)で塗っているモデラーは、少ない

う~ん、70年代はじめの「モデルアート」から、バーリンデンの洗礼まで、表現技法のノウハウを一言で片付けてしまいましたね・・・。スゴイ!
スケールモデルも全部スケールどおりにはいかない。絶対重量なんて無理です。

最後に作った模型が2005年、マルイのパイソン6インチ。
こいつは1/1なんで、ブルー染めとか塗装とかになると、カスタムショップの塗料が必須でした。
2012/12/21 (金) 00:59:27 | URL | さしこファン #SFo5/nok[ 編集]
yockyさんへ
今晩は!
なんだか意外なお言葉です。yockyさんのKVの色には度肝を抜かれましたからね。
「なんと鮮やかなグリーンだ!」って。
それがよく目立っていましたので、展示会ではこんな風に塗らなければいけないんだと感じたものです。
それでもしばらくは意固地になって自分がリアルであると思う塗装を続けていましたが、今では完全に割り切っています。
そのあたりはてっきり yockyさんのほうが先輩だろうと思っていました。
もはや人に見せるための模型は演出であると割り切って良いと思います。
2012/12/22 (土) 00:17:31 | URL | 宮﨑一誠 #-[ 編集]
教えてください
宮崎さん!こんにちは(*^。^*)ご無沙汰しております。宮崎さんの記事、読ませていただきました。戦車塗装の上では、私もいつも色調を考えています。
家の中で見てカッコ良くても、展示会に出品した途端くすんで見えてしまったり・・・
色が飛んでしまったりと・・・考えなければいけない事ばかりです。
ところで今作ろうと思っている作品で、
放置されて少々朽ちかけた戦車を作ろうと思っています。以前宮崎さんから教わった錆も表現しようと思っているのですが・・・
何か良い提案はありませんでしょうか?
少々子供がその戦車にいたずら書きをするイメージを作っているので・・・
塗装に関してアドバイスなどいただけたら凄く嬉しいです。
また遊びに参りますので、ご指導お願いいたします。
では、寒くなってまいりましたのでお体ご自愛くださいね\(~o~)/
これからも、よろしくお願いいたします。
2012/12/22 (土) 08:50:57 | URL | かおり #UTTqB9Tc[ 編集]
さしこファンさんへ
ええ?2005年が最後に作った模型?

気が向いたら、作ってみてくださいよー!

手を動かして分かることってありますよ。
逆に言えば、手を動かさないと永遠に分からないことも。
2012/12/22 (土) 22:48:14 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
かおりさんへ
かおりさん、お久しぶりですー!

さて、エレファントのジオラマでは、窓の緑色がこれまで見たことのない素敵な色合いで、とても良いアクセントとなって機能していましたので、
「さすが、女性の作るジオラマはひと味違うな」
と感じていました。

>展示会に出品した途端くすんで見えてしまったり

このように感じてらっしゃるとは意外です。
次回、サビの多い戦車に挑戦されるとのことですが、
だったら、塗装を始める前に全体をホワイトでスプレーするのをお勧めします。
ふだんはサーフェイサーを吹かれているようですが、ホワイトをベースにした方がさらに発色がよくなるでしょう。
そして、タミヤアクリルは出来るだけ混色しないで使ってください。他の色と混ぜるとどうしても色がにごります。
できれば、タミヤアクリルを使わず、塗り始めは油絵の具だけでやってみると良いかもしれません。
タミヤアクリルは、かなりダークで沈んだ色合いに調色されていますから。
2012/12/22 (土) 23:03:46 | URL | 宮崎一誠 #-[ 編集]
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